私のこれまでの大物イトウ記録は91㎝。約5年前のここ猿払川でした。
今回はその記録を更新するべく、春シーズンの猿払川に挑戦しました。
6月の猿払に巨大イトウを釣りに
秋もいいけど寒いんです(>_<)梅雨のない北海道の6月はきっといいはず。
昨年の秋はSomeRiseガイドサービスで猿払のイトウを釣らせてもらったのですが、今年はガイドなしで適当に行ってみました!
イトウ釣りの時期
春の産卵時期は絶対に自粛するとして、それの終わる5月中旬からアフタースポーンの個体を狙う「春イトウ」が6月下旬まで。
「秋イトウ」は水温が下がり越冬準備の荒食いをする10-11月。
イトウは絶滅危惧種なのにサケ、マスのように禁漁期がなく、制度では守られていません。
そのため我々釣り人一人ひとりが自覚をもって保護に参加していく必要があります。
イトウのベイト
川に限って言うと春は特にワカサギ、ウグイでしょうか。どちらも産卵でシャローに集まったところをイトウが狙っています。
あとはフクドジョウ、カレイ、チカ、ヤツメウナギ、トゲウオ。アメマスや鮭稚魚も捕食されているようですし、カエルやヘビを食べることも広く知られています。
近年は川のベイトが減少しており、イトウの海洋生活での成長が特に欠かせないようです。
猿払の巨大イトウ釣り期待のルアーたち
朱鞠内湖で聴いた話によると、「ワカサギ漁の網に入ったイトウを逃がしていると、小動物の毛を吐き出すことがある」・・・と。
つまり巨大なイトウはネズミかイタチか、小動物なら食べちゃうってことですね。
水鳥を襲う話も聴いたことがあるし、「鹿を飲んだイトウが川をせき止めた」なんていうとんでもない昔話まであるのです。
私はこれまで猿払でスプーンやシンキングミノーでイトウを釣ってきましたが、今回は1発大物狙い!水面系のワイルド系のルアー縛りで誘い出すことにしました。
スキッターポップ9cm14g
ラパラのルアーの中でも、なんだか存在感のあるポッパー。
水飛沫を出してもいいし、静か~に引いても十分アピールします。
ネズミルアー
ずいぶん前に買って眠っていたルアー。ぬいぐるみの様な毛がいかにも怪しいですね。
デッドスローで引くと柔らかい引き波を立てて泳ぎます。
ラパラ ジョインテッド フローティング J13
デカい魚は水面で釣れる!と思っています。信じて投げ続けるための雰囲気のあるジョイントフローティングミノー。
下がフローティングのJ13。参考に上がシンキングCDJ9。
やっぱJ13デカい!でも釣れる!
フックはベリーをシングル2/0に、テールはアイの向きが違うのでスプーンフックの3/0を装着。
こんなルアーたちに期待をしつつ、他の1軍ルアーは>猿払川おすすめルアーランキングで紹介していますのでご覧ください。
巨大なイトウ釣り、タックルとラインは?
イトウは体も長いし重量感もありますからそれなりのタックルが必要です!
シーバス用ロッドHか、ワールドシャウラあたりで
今回選んだのはこの2本
シマノ ワールドシャウラ2752 R2
5本継ぎなのでスーツケースにも入るし、持ち込み手荷物でもOK!
ちょっと弱い気もしますが大物イトウがヒットした時にはこのぐらい曲がってくれた方がキャッチ率は上がるだろうと。
バットは強いのでフッキングには問題なし!
使い勝手のいい竿なので遠征にはだいたい帯同しています。
これは東京湾ボートシーバスから海外遠征まで重宝しているいい竿です。
曲がり方が超優等生なので、大物掛けて曲げて楽しむロッドですね(^^)
リールはどちらにも安定のステラC3000MHGです。
ラインはPE1.5号にナイロンリーダー22lb
PEは 1.2号でもいいかなと思いますが、大物狙いなのでちょい太めでいきます。
リーダーはナイロン22lbを1m。ノットはラインツイスターでキッチリ組みます。
スナップは耐力スナップ2番。
巨大イトウを求めて猿払川をランガン
朝食後、猿払川と猿骨川をサラーっと見て、五感をフル稼働させてポイントを決めます。
今日は風も比較的穏やかで(猿払村は年間平均風速7mとも言われます)晴れたり曇ったり、時折にわか雨が降る程度。
さあどこに入ろうか。
目まぐるしく変わる天気の中で猿払川をランガン
前週はサーフで海イトウがよかったらしく、猿払川の河口は多くの車が停まっていたのでパス。
ポロ沼の入口も10名程度のフライマンがウェーディングしています。平日なのにすごい人気!
プレッシャーの低そうなポイントを求めて、下流はスルーして中流の猿払橋に。
ここは人がいません(^^) 湿地帯を藪漕ぎして川に出て、やっとキャスト開始。
水はクリア、下げ潮と川の流れが効いてルアーが流されます。このぐらい流れがあればDコンもアリだな~とか思いながら久々の猿払を満喫します。実績ポイントですがアタリなし。
続いて小移動して、猿払橋と新猿払橋の間のエリアを探ります。
ここは2年連続でイトウを仕留めたポイントですがこの日は何事もなく移動。
次に入った上流のポイントでも昨年1本上げているのですがライズすらなし。イトウはどこに行ったのか…
ランチはホテルさるふつでイトウ情報収集
お気に入りの「焼き帆立カレー」(^^)
カレーに帆立、卵、チーズを盛ってバーナーで炙ってあり、香ばしい焼きカレーとなっています。
ここでホテルさるふつスタッフの佐川氏に猿払のイトウ情報を聴いて午後の作戦を立てます。
すると佐川氏、なんと今朝出勤前に(やっぱ行くんだね笑)猿払川河口付近で90クラスを釣ったそうです!テンション上がるー!
川にもイトウは入っているようですが、今日見た中流〜上流では反応がなかったので下流を攻めることに決定。
おそらく下流に大物が入っているな・・・
産卵を終えた個体は海に下って爆食中だろうな、逆に海から上がってきた個体は太ってコンディションよさそうだな、よし。そっちを狙ってやる。
水面炸裂!猿払の巨大イトウ
天気は穏やか、ライズなし。こんな時こそ水面で勝負でしょう!
そしてポロ沼入り口。ここにいるはず
ここは初めてイトウを釣った思い出のポイント!
あの時は爆風の向かい風で、1軍ルアーをロストしながらDコン85で釣ったなー。よくこんな浅いとこでDコン投げたな。
など自分のイトウ戦歴を回想しながらフローティングミノーを投げて少しづつ移動していきます。
今日はボトムの変化もよく見えるし潮の流れもよくわかる。
さあ、出てこい巨大イトウ。
モンスターイトウ降臨!
大きめの深みを見つけた。
流れのヨレも効いている。
巨大なイトウが身を隠すには絶好のポイントだーーー
流れを計算して上流側にキャスト。
U字を描きながらスポットにルアーを送り込む。
行け!必殺のトゥイッチ!ちょこん、ちょここん、ふわり~
ジョイントのテールが怪しく揺れたその時、斜め下から巨大な影がルアーを襲った。
「ゴッバアーーッ!!」
「出たぁっ!!!」
ぐっ、クソでかい!
魚の重みをロッドにしっかり乗せてフッキング。
イトウは水面で暴れている。流石にメータークラスのイトウが水面で暴れると、魚というより動物が暴れているような水しぶきと重たい音がする。
これは慎重にランディングに持ち込みたい。
ランディングポイントにちょうどいい小さなサーフを発見、そこに30mほど移動を試みるがイトウが重くてなかなか寄らない。
しかも怪力でドラグを引き出され50mほど走られた。
恐るべきパワー。
しかし徐々に主導権を握りランディングポイントに誘導。
水面で翻る赤みがかった巨体に恐怖すら覚える。
この日のために用意した特大のラバーサーモンネットで遂にランディング!
「っしゃあーー!やった!メーターか?!」
久々に手が震えてメジャーが正しく当てられない。
先にフックを外して魚と自分を落ち着かせる。
2.3枚撮影してやっと計測、95cm!

モンスターは水面で釣る

魚偏に鬼と書く~!

おいで―!w
ゆっくり時間をかけて蘇生して、猿払川の流れに戻した。
その悠々とした姿を見送ってアシ原を見渡すと、爽やかな6月の風が吹き抜けていった。
旅は成就した。
ありがとう北海道。ありがとう猿払。
猿払のイトウを守ろう
現状、レギュレーションもないし釣り券もないのが猿払です。
イトウを守れるかは釣り人次第なのです。
イトウと環境の保護のために
まだまだイトウを殺して持ち帰る人や餌を飲み込ませて釣る人、産卵期の釣りや夜釣りをする人もいるようです。
「猿払イトウの会」が立てた看板が、サステナブルな観光資源、種の保存という観点からもイトウのキャッチ&リリースを推奨し、末長くイトウ釣りを楽しめるよう釣り人への啓蒙活動を行なっていることを物語っています。
漁協をつくるとか、規則をつくることについては役所への働きかけなども必要なので難しいところはあると思いますが、頑張っていただきたいですよね(^^)
応援しましょう!
ネットと熊よけスプレーを貸してくれる!
空港で割と大きい邪魔な荷物になる特大ラバーネットも、なんとホテルさるふつでレンタルできます。
ネットがないことでズリ上げランディングやフィッシュグリップの使用があるとしたらイトウが傷付きますよね。それを防止するために用意してくれているそうです。
私のようにちょいちょい行く人は買ってもいいけど、初挑戦でわざわざ買っていくのもなー、という場合も心配無用。
ぜひホテルさるふつに連絡してみてください。
熊除けスプレーも借りられます。
これは飛行機に持ち込めませんので(事前に宿に送ってしまうのは可)ぜひ予約してレンタルしたいところです。
ちなみに私の特大ラバーネットはこちら↓
折りたたむとこんな感じに
これをスーツの袋に入れて空港で預けています。
すごく自然w
巨大イトウの住む猿払までのアクセス
稚内空港からレンタカーで行くのが一般的です。
飛行機~レンタカーで
北の翼、Air Do!いつもお世話になります。
稚内空港からはレンタカーで近道で小1時間。
今回乗ったマツダのデミオはハイブリッドでもないのに燃費が驚異の20km/L!
日本最北端の宗谷岬を回って、こんなことして寄り道していると1時間以上かかりますので帰りは要注意です。
おまけ。海アメを狙う
帰りにちょこっと時間があったので適当なサーフで海アメを狙いましたが、海アメをバラしたあとウグイが釣れました(*´Д`)
道はいつも空いていますのでスピード超過に気を付けましょう。
猿払の巨大イトウ釣りまとめ
シーズンは年2回。しかも大物がどこで動くかを予測してこちらが合わせていければチャンス大です!
今回のように最初はランガンして様子を見て行って、本命ポイントを絞るのは効率よく釣りをする一つのコツです。
あとはランガンするならトップなどの「勝負の速いルアー」でどんどん撃っていくことも大事かと思います。
逆に1か所で粘るならスプーンを沈めてじっくり釣るとか、ライズなどを観察してチャンスをうかがったり、それも好きですけどね(^^)
とにかくイトウはデカいし希少だしアブラビレあるし存在感が別格なので、川のルアー釣りの魅力をすべて凝縮したようなターゲットだと思います。
これからイトウ釣りに挑戦する全ての人にもこの感動を味わってもらえるよう、大事にしていきたい魚ですよね。
それは、我々アングラー1人ひとりの意識にかかっていると思います。
最後までご閲覧ありがとうございました(^^)v