イトウは、太古の昔から広大な湿原河川と海を行き来する、北の河の王者。
この大魚は、古くから多くの釣り人を魅了してきました。
真冬にはマイナス20度にもなる厳しい自然の中で、10年以上もかけて体長1mを超える大魚に成長します。
その存在感はまさに別格。
本州からその姿を求めて通い続けるアングラーも少なくありません。
実は私もその一人(^^) 幻のイトウを求めて、今年も11月の凍える湿原河川に浸かってきました。
猿払の湿原でイトウを釣るために
猿払へは稚内空港から車で1時間。宗谷岬をまわって観光しながら行くと1時間半ってところです。
イトウを求めて、羽田発~稚内空港。
飛行機が遅れているので、しかたなくラウンジでコーヒーでも。
と思ったらコーヒーマシンの隣にウイスキーが。当然いただきます(笑)
適当に酔って、機内で爆睡。
起きたら着陸していました!お気楽釣行スタートです(^^♪
稚内空港で、ガイドのSomeRise児島氏に出迎えてもらい、車に乗り込みます。
SomeRiseはいつもお世話になっている北海道のフィッシングガイドで、季節に合わせた魅惑の北海道を案内してくれます!
代表の児島氏は筋金入りの釣り師で道産子、見た目ワイルドで中身マイルドなナイスガイなのです(^^)
猿払での宿泊は笠井旅館
笠井旅館は全国からイトウ釣り師が集うレジェンド旅館。
アットホームで素朴な料理が魅力です。
猿払でのイトウ釣りの宿泊は、近代的な宿泊施設がお好みの方は「ホテルさるふつ」がいいでしょう!
あと「さるふつマリン」という民宿も、料理うまいしセイコーマートが道向かいだし大変良いです(^^♪
猿払の初日はワンバイトで終了
初日は夕刻の1本勝負です!
久しぶりの湿原河川は安定の寒さ。指先の出たグローブだと指が凍えて全然無理です。
仕方なく指先の開いていないグローブでキャストしますが、フェザーリングが難しく対岸のアシに何度もルアーをぶち込みます(笑)
しかし何とか全部回収できました。
夕方のラスト1投、ルドラ130Sに「ガツン!」とバイトがあったもののフッキングに至らず、この日は終了。
おおまかな様子は見れたので、明日の作戦を立てながら夕飯を食べてタックルの整理をし、持ち物をシンプルにします。
いつも思うんですが、使わないものを遠征に持って行きすぎます(笑)
2日目が本番。猿払川のアツくて寒いガチ釣行
朝イチは湿原も凍えて静まり返っています。
たぶんイトウも寒くてマッタリ。関東でも冬にはよくあることですが、水温が低すぎる朝イチより少し上がってからが勝負となりそうです。
濁った水でイトウにどうアピールするか
8時半出発。
早速、最もイトウの魚影が濃そうなエリアに入りますが前日からの雨でかなり濁ってしまっています。
こんな時はパールホワイトなどのルアーが効果的。
いきなり必殺のラパラCDJ9を投入。
実際に水中に入れてみると、濁った水の中でルアーのシルエットが膨張して目立っています!
これに縦トゥイッチを加えてアピールしていきます。
対岸のアシ際へビシバシとキャストを決めてイトウを狙いますが、全く反応がありません。
時折、10cmほどのベイトが流されてきてイトウが水面でそれを捕食しています。
マッチザベイトのパターンも試しますがノーバイト。
濁りで見えませんが、イトウが岸から数メートルのブレイクラインを回遊しているとみて、そこにソウルシャッド62SPのシンキングチューンを潜らせてリップをボトムに当てていきます。
しかしノーバイト。
ランチ後に別ポイントに移動して勝負をかけます。
ランチがてらホテルさるふつで情報収集
ここは猿払でイトウの保護活動?イトウ大好き活動をしているS氏がお勤めで、宿泊やランチのみならずイトウ釣り情報が聴けるという、イトウ釣り師の回遊コースなのです(^^)
イトウ釣りグッズの販売もありまして、時川真一画伯のステッカーなども販売してあります。
そして遂に猿払のイトウが!
湿原河川は相当な雨が降ってもそんなに濁らない場所もあったり、逆に風向きだけでシャロ―の泥が舞い上がってしまったりして、難しさもある反面、飽きないというか、つまり総合してオモシロイのです(^^)
次に移動したポイントは川幅が20mほどの猿払湿原のド真ん中。
小さな変化があって水の色が混ざる場所を狙います。
イトウはこういうところを回遊してエサを探しているはず!
そこの岸際にルドラ130Sを通します。
岸際50cmに投げてストップ&ゴーでポイントを通過後、ワンアクションでドンッ!
来たっ!
イトウ独特の重いアタリ。
しっかりとフッキングを決めてからゆっくりとファイトします。
マッタリとした湿原の水をかき混ぜながら、うねるようなファイトで、寄ってきたかと思うとまたラインを引きずりだして走ります。
ロッドのしなりとドラグで耐えてランディング!
今年も出会えました!
猿払ありがとう!!
本日2本目!猿払湿原のイトウ
次に猿払川を小移動して橋の下のメジャーポイントを攻めます。
ここでもやはり岸際が怪しいので、CDJ9を沖に投げてからドリフトさせて岸際に寄せ、スローに巻きます。
いい感じにリップが水を噛み、ルアーにテンションがかかります。
小さくトゥイッチを入れたその時、
グンっ!来たー!!
明らかにイトウのアタリが!
20m先の水面が割れます。
イトウだっ!
完全にフッキングを決めてから余裕のファイトで寄せます。
上がってきたのは先ほどのより少し小型ですが、秋らしい太く美しいイトウ!
CDJ9を腹から食っています!
北の王者、1日で2本も釣れるなんて出来すぎです!!
最終日はメーターオーバーのイトウを求めて
日に日に寒さが増して、今朝は夜半に降った雪が残っています。
何もかも凍る氷点下の猿払
車中に置いていた児島氏のウェーダーが凍っています(笑)
ウェーディングシューズもカチカチで履けません!
笠井旅館の玄関でしばらく溶かしてからようやく履いて出発です。
猿骨川も要チェック
この日は先日大物が目撃されている猿払川の隣の猿骨川に入ります。
怪しいポイントをくまなくチェックしていきますが生命反応なし。
濁りは昨日より少し取れています。
潮が少し上げたり少し下げたりゆったりと流れていて、湿原河川の不気味さを感じずにはいられません。
遠くの国道を走るトラックの音が時々聴こえるだけで、あとは音もなく川面に吸い込まれる雪を見ながら、水中のルアーを想像します。
この流れのどこかにメーターオーバーのイトウが泳いでいるはず。
ジョイントミノーのほか、シンキングミノー、サスペンド、シャッド、スプーン、ビッグベイトまで取り出してあの手この手で攻めます。
午後まで釣りをする予定でしたが、雪が積もり始めて道路が危くなってきました。
この後札幌までの道中を考えると、峠で凍結もありえます。
ここは残念ですが早めの撤収となりました。
この後は冷たい冬に閉ざされてしまうのでしょうか。
今年もギリギリのタイミングで美しいイトウをキャッチすることができました。
この幸運と、またここで釣りができることを願って、今日は乾杯したいと思います。
猿払また来るよ(^^)v
猿払イトウのタックルデータ
ありがとうございました(^^)
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