え?ロシアでメーターオーバーのキングサーモン??
キングサーモンと言えばカナダかパタゴニアですよね。
でもロシアにもいるんです。めったにお目にかかれないけどカムチャッカ半島にも1mを超えるキングサーモンが遡上していました。
クリアウォーターの川でルアーに果敢にアタックしてくるキングサーモンを見ることができるのはカムチャッカならではではないでしょうか!
カムチャッカ半島、イーチャリバーへのアクセス
地図上では近いのですが、1日では着きません。
のんびり構えて余裕で行きましょう(^^♪
今回の釣り旅はBIG TROUTさんのツアーに単独で申し込みました。
シベリア航空でウラジオストック経由
成田空港からペトロパブロフスク・カムチャツキー空港まで、夏の直行便が飛んでいれば3時間半。
時期や年により異なりますので、直行がなければウラジオストック経由でペトロパブロフスク・カムチャツキー空港に行きます。
フライト時間は成田からウラジオストック、ウラジオからカムチャッカのどちらも3時間程度だったと思います。
オシャレなウラジオストック空港。
対してこちら、地元感満載のペトロパブロフスク・カムチャツキー空港。
ビニールハウスのようです!
イミグレーション(パスポートの顔写真確認されたりするとこ)もホームセンターで買ってきた適当な木材で日曜大工した学園祭レベルのものでしたww
自販機すらないシンプル過ぎる空港です。
軍用のカッコイイ車で8時間
途中ピロシキを食って、温泉の湧く河原で遊んで、一路ミルコフロッジ。今日はそこで1泊。
店の奥ではピロシキの妖精ともいえる、民族衣装のような白いエプロンと赤い頭巾のロシアのおばさんが一生懸命生地をこねていました。
マルキの川の温泉。天然の温水プールです。
老若男女が水着でワイワイ(^^)
ミルコフロッジに到着
ミルコフロッジ。新しく、木の香りに癒されます。
空港からここまで休憩しながら約6時間。目的のイーチャリバーまであと2時間ほど。
今日は日が暮れるのでここに宿泊し鋭気を養います。
夏とは言えロシア、夜は冷えるし昼でも雨が降ればすぐダウンジャケット。
部屋の暖房器具が小っさいセラミックファンヒーター1個だったので心配しましたがこれが意外と暖かくて快適に過ごせました。
3日目、いよいよイーチャリバーへ
途中、炭酸泉の湧く泉で休憩。
これが何だかうまい。大地の味、地球の力。お腹にもいいらしい。
カムチャッカらしいハンノキやカバノキ科の樹海を1本の道が続いています。
そんなにダートでもないので楽勝!と思っていたら、急に道から逸れ始めます。
次の瞬間、ガチで森の中に突入(゜o゜)
わずかについた轍を頼りにノロノロと原野を突き進みます。
川に出ましたが、トラックでそのまま川を渡ってぐいぐい行きます。ワイルドすぎて一同唖然。
あのトラックの実力を遂に発揮!
イーチャリバーに到着!
お世話になるガイド達が昼飯を作ってくれています。
ほぼ毎日食べることになるドリーバーデンのスープ。ものすごいうまい。
魚のダシと塩味とハーブの味付け。ハーブを入れてからの煮込みに各自のこだわりがあります。
ランチの後ここからラフティングで川を下り、釣りをしながらイーチャリバーロッジへ向かいます。
この日は美しいドリーバーデンが遊んでくれた程度で大した釣果もなくロッジに到着。
ここまでずっと雨。明日からの本番で増水とニゴリが気になります。
清潔で快適なイーチャリバーロッジ。
設備はフル装備。
サウナにシャワー、ヨガルーム、シアタールーム、ウェーダー乾燥室。
ゆっくりとくつろぎながら釣りのことだけに集中できます。
サウナと夕食の後は水たばこでリラックス。
別に怪しいことはしていませんww
ゆっくり休んで、あとは天気を祈るのみーー。
ロシアのキングサーモンおすすめタックル
さて本番!タックルはけっこう強いものが必要です。
そりゃあ相手はキングですからね!
ロッドはアカメ用、ステラ6000、PE3号、リーダー50lb
オフショアロッドの人もいました。僕も控えでシイラロッドを用意。
ボートからのキャスティングもあるので、長すぎると使いにくいのです。
ボートから釣るなら東京湾で使うボートシーバスロッドの強いやつでも良さそう。
上陸して釣るときも8フィート台までにしといたほうがいいです。
あとは強さ。増水もあって流れがやたら重いんです。流心や背に入られたら困っちゃうのでPE2号以上を対象にしたロッドが必要です。
リールはStella SW6000を使いましたが、メーターオーバーのキングサーモンと流れの中で引っ張り合いになった時、はっきり言ってぶっ壊れるかと思いました。
ラインは、PEがスプールで滑らないように始めの結びからしっかり巻いて行ってください。
ラインの太さは2~3号でOK。リーダーは35ポンド以上でノットの強度が正常なら、根掛かりしたときにサーモンフックを伸ばしたり折ったりして回収できました。
ルアーやラインをなるべくフィールドに残さない、自然にやさしいセッティングです。
タックルはひととおり渋谷サンスイでアドバイスを聴いてきたので安心です!(^^)
北海道の師匠、SomeRise児島氏にもアドバイスを頂き準備をしてきました。
やはり毎日釣具を売っている人や毎日フィールドに出ている人は頼りになります。
おすすめルアーはスプーン。25~55g
フックもサーモンフック5番やカルティバの5/0を装着。
スプーンは20gぐらいで勝負出来たらいいなーと思っていたんですが、元来の流れの太さと増水による押しの強さで、結局35g以上しかほぼ使いませんでした。
ラインとリーダーをもう少し細くして20~25gで勝負したかったところですが、根掛かり回収と、予想されるビッグファイトにビビってこれ以上細くできませんでした。(リーダー35ポンド必須)
メインはCoatacの35、45、55、NorthXの45、55g。
カラーは「ピンク・赤系」と言われていますが黒でも白でもヒットしました。
カラーよりもルアーを自在に操れることのほうが重要です。
そのためのタックルバランスを考えて組みましょう(^^)
これがロシア!カムチャッカ、イーチャリバーのキングサーモンの釣り方!
広大な釣り場ですが、ポイントはだいたい3パターン。
1.キングの休憩ポイントの淵を釣る場合
ガイドの話によると、キングサーモンは急流を遡上して、大きな反転流のある場所で休憩するそうです。
こうしたポイントではサーモンが定位する場所を予測して、スプーンをキッチリ沈めてボトム付近でアピールしましょう。
ステディリトリーブやリフトアンドフォール、シェイクなどあらゆる方法でキングサーモンの気を引きます。
これは急流が大きくカーブする場所の外側に反転流ができているポイント。
ボトムでリフトアンドフォールさせるとガツ―ンとバイト!
慌てて巻かずにしっかりフッキングしてファイト。
トルクのある引きに耐えてサーモンを浮かせてネットイン!
これがキングサーモン!
最高!!
ここは昨日、1本バラしたポイントでした。
同じようなとこに違う魚がついてました。しかもサイズアップしてます(^^)
2.流心の遡上コースを釣る場合
小さめで重いスプーンをアップクロスで投げて、ボトムを意識して下流側へ転がします。
そこでは中型のキングサーモンがヒットしましたが、残念ながら15分ほどのファイトの末にフックアウト。
3.瀬っぽいところでステイした個体を釣る場合
やつらも野生の勘で、絶妙に見えにくいコースを泳いでいます。
この写真の場合も岸側からは魚が見えません。他の船が通りかかって沖から撮ってくれた写真です。
画面右端にウェーディングしていて、左の黒丸の中に4匹のキングサーモンがいます。
キングのステイしている場所は水深1mほど。ウェーディングしている場所で60cmほどですが流れの押しが強く、これ以上入ると流されます。
こういう魚を見つけたら、まずキングを脅かさないよう、静かに上流側に回り込んで立ち込みます。
そして気づかれないようにA地点に向けてクロスにキャストして、水中をそっとドリフトさせてB地点に運び、キングの鼻っ面にスプーンを持っていきます。
そこでなんとかアピールに成功すればバイト!となります。
そのパターンで釣ったのがこちら↓
カムチャッカ最高!!!
ファイト時間は1時間15分。
流されないよう、滑らないようカムチャッカの川底を踏みしめながら、重い流れに絞り込まれるロッド。悲鳴を上げるリールとライン。
全身で汗をかきながら、下からキンキンに冷えた雪解け水で冷やされるという気持ちよさ。
50分を過ぎたころ、ガイドのセルゲイが「そろそろ相手も疲れてきている。ランディングに持ち込もう、3択だよ!」とプレゼンしてきました。
その3つの方法とは、
A ドラグを絞めてキングの走りを止め、寄せる
B ボートで追いかけてネットですくう
C 30m下流の浅瀬に移動してランディングする
です。僕の体力も限界に近づいていたので迷っている暇はありません。
まずAは、もうギリギリ絞めてたのでパス。
Bはこのファイトの直前にメーター級を1本それでバラしているのでこれもパス。
よって消去法でCをチョイス!
流されないよう慎重に岸沿いを移動し、ランディングポイントに向かいます。
セルゲイがランディング体制に入ってからも、キングは強引にドラグを引き出して流れに帰ろうとします。
サーモンの王が、ここまで遡上して捕まってたまるかと言っているようです!
しかし、時は来ました。
遂にキング、ネットイン。
と思ったら、キングがほとばしる野生でネットを突き破って逃走!(笑)
ルアーが外れていなかったので再びファイト、やばい。背に入られた。
そこからプランBを臨機で投入。ボートでキングを追いかけます。
さらに作戦変更、強い流れを回避し、数百メートル下流の中州に誘導して上陸です。
最後は岸からの攻防をなんとか征し、今度こそランディング!
よっしゃ!!ついに来た!!
もう腕パンパンで写真でも腕が上がっていません。握力も使い果たしています。
でもこんな出来上がった笑顔になってしまう(笑)
ありがとうカムチャッカ。
ありがとうイーチャリバー。
これがカムチャッカのキングサーモン釣り。
旅は成就しました。
For the Champion of the Icha River Lodge.
King Salmon 106cm 14kg
ガイドのセルゲイ、ロッジのミハエル氏、この旅のプロデュース臼井氏、他みんなありがとう!
まとめ/ロシアのキングサーモン用タックルデータ
ロッド/Ripple fisher Silver stream 87 RED EYE
リール/SHIMANO Stella SW6000
ライン/VARIVAS Avani Casting PE 3号(予備で4号)
リーダー/VARIVAS Ocean Record 35LB,50LB
ヒットルアー/Coatacコンデックス シェルキング35、45、55g
フィールドハンター NorthX シェル 45,55g
アングラーズシステム BUX デイトナ18g
キングサーモンはサーモン系の中でも魚食性の強い魚ですから、プランクトン食の紅鮭なんかよりルアーを食うのはうまいと思います。
川の中で流れがどうであろうが、「鼻っ面でアピール」をイメージしてルアーを操作しましょう。
実際、流れの押しが非常に強く、リーダーを50から35にして少しでも水の抵抗を少なくしていました。
これが功を奏してうまくルアーを送り込むことができたとは思いますが、35LBのリーダーで戦えるギリギリの魚でした。
セッティングはもう少し考える余地はありますね~(^^)
カムチャッカは確かに秘境ですが、カムチャッカに行ったらスゴイの釣れるなんて甘いことはありません。
日頃の修行の成果を確かめに行くつもりで遠征に臨んでください。
イーチャリバーの王様が微笑んでくれるよう、ご武運を祈ります!
ありがとうございました。
ちなみにロシアでキングサーモン釣ってると熊ハンパない
わかります?このサイズ感。
完全にXLっていうか、バケモノ級です。
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