ニジマスの降海型、スティールヘッド。時に1mを超えると言われるその魚体、そしてあのニジのジャンプファイトでしょ、もうトラウトアングラー垂涎の的ですよね。
日本でも北海道に遡上するとかしないとか。未だ噂話程度のスティールヘッドですが、それなら確かめてやろうじゃないのってことで秋の北海道に旅立ったのでした。
道東にスティールヘッドを求めて
ネイティブレインボーは日本にいないという以前の俗説は私は信じていません。
北海道ならほぼ全域にニジマスは生息。しかも元々放流じゃないやつもいます。
カムチャツカではニジマスの原種「ミキージャ」が生息していて、5月頃遡上してくるそう。
ロシアでキングサーモン釣りのガイドをしてくれたベラルーシの若者は、わざわざカムチャツカのレインボーを狙いにバイトがてら夏期休暇を使って滞在しているとのことでした。
カムチャツカに遡上する様々なトラウトやサーモンが度々北海道でも漁師の網にかかっていることは周知の事実。
カムチャツカと北海道では海水温も違うし夏の川の水温に関しては言うまでもないところですが、ニジマスは比較的高水温にも耐える魚種。真夏でなければ北海道でも河川と海を行き来していてもおかしくはありません。
私のホーム、芦ノ湖では7月末に水温20度超でミノーに食ってきたこともあります。
さてそのスティールヘッドか遡上ニジマス、我が国では北海道のどこにいるのやら?
遡上ニジマス?スティールヘッド?心当たりあり
以前から真夏に河口でニジマスの釣れる川があり、そこに秋の遡上調査をかけてみることにしました。
遡上するとしても水温が下がる9月中旬以降、しかもシロザケやカラフトマスの卵狙いの個体が遡上するタイミングがいいのでは?ってことで10月に行くことに。
河口では鮭やカラフトマス狙いの釣り人が賑わう川で、あえて河川のほうへウェーディングです。
カラフトマスの産卵行動にあやかる怪しい影
産卵行動のカラフトマスの後ろに付いたやや小ぶりな影にミノーを見せると即バイト!
やる気あるぅ~♪
ヤマメでした!
秋色になり始めているグッドコンディションのヤマメです。
北海道のヤマメは大きくなるやつほどほとんど降海してしまうそうで、河川に残留する個体は小ぶりなヤツが多いのです。
その中でもこいつはまあまあグッドサイズですね!
ニジマスヒット!スティールか?
続いて流心にミノーを沈めて行くと、いきなり怪しい個体がヒット!
ド派手なジャンプでまるでシイラの様なファイトをかましてくれたこのニジ。
体側のレッドバンドより下に黒点がほとんどありません。
てことはこいつは海水を吸ったやつに違いない!
サイズは40cm弱。
何とも言えませんが貴重なサンプルです!
撮影してリリース。次を狙います。
北海道の川でスティールヘッド?
遡上していたとしてもDNA的にはスティールヘッドではなく降海型のニジマスってこともある。
それでもいいんです。遡上したニジマスが見たい(^^)
河川残留型か?
続いて流心の底でヒットしてきたこいつ。ファイトは良かったけど黒点が多いので河川残留型かな?
背中が盛り上がってて力強いファイトでした!
今後に期待したくなるような体型。
こいつも海から来たでしょう
続いてこちら。
側線より下に黒点がありません。これも海から遡上してきた個体でしょう!
河川規模的にビッグサイズの遡上は難しいかもしれません。
この川は30~40cm台の魚体が多いですね。
こうして数匹の遡上っぽいレインボーを釣っていくと、真夏にはこんな数のグッドサイズがいなかったことに気付きます。
小さく浅い川ですし、深みやポイントらしいポイントは限られており、夏にも各ポイントでレインボーはヒットこそさせているのですが、サイズが小さかったのです。
どう頑張ってもこのサイズが連発なんてことはなかったかな。
しかもパーマークがあったり、黒点が全身だったりニジマスらしいニジマスでした。
てことはやはり、秋になってカラフトマスやアキアジの卵狙いまたは自分達の産卵のために海から遡上したと考えるのが自然なのです。
まとめ
なにしろ海からこの距離。海岸線から僅か20~30mのところで、夏にはいなかったサイズと体色のニジマスが釣れるのですから。
ラストの1匹がムムムー?
側線より下に黒点がないことを一つの目安にしてきましたが、最後に今回の最下流部(海まで20m!)のところで釣れた黒点アリの個体。
波や潮位で塩水入ってると思うんですよね。
ニジって意外とどっちでもイケるのかも。
謎は深まりつつも、巨大なスティールヘッドが北海道の川に遡上する夢を見るために、遡上ニジマスの存在を確信した釣行だったのでした。
他の川も歩いてみたいし、また来るぜ北海道!